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海外展開のヒントをコラムでご紹介

セールスレップ(エージェント)とは

セールスレップとは、北米で定着している販売代理会社のことで、製造業者の代わりに小売店や問屋に対してセールスを行う人、または、会社を言います。英語の「Sales Representatives」に由来します。
日本の問屋や商社と異なる点は、商品の在庫をもたずにセールスを専門に行うことです。

彼らは外部セールスマンであり、マーケティングに弱い中堅・独創企業の販売の協力な助っ人とも言えます。(大企業が新製品の販路として活用する場合もあります)
彼らは当該分野の専門知識や販売ルートを豊富に持っていて、メーカーと消費者を結ぶ重要な役割を果たしています。

通常、最低10社程度の複数のメーカーの商品を扱っており、決められた販売地域(テリトリー)内で活動を行っています。基本的には成功報酬制(コミッション制)です。
販売が成立した際に、その売り上げの5%から20%程度を販売手数料として受け取ります。

北米で発達した制度ですが、この仕組みはどの国でも使う事ができます。

セールスレップ制度の利点

セールスレップ制度の利点は、まず何よりも成功報酬制であることです。
つまり、例えセールスレップと販売代理契約を結んでも、商品が売れない限り費用(販売手数料)は発生しないのです。

これは、米国に独自の販売網を築くことのできない中小企業やベンチャー企業にとって最大のメリットと言えるでしょう。米国での事務所の設立、セールスマンの雇用や教育などの初期投資を最小限に抑えることができるからです。
特に、販売に高度な専門知識が必要な場合においては、効果覿面といえるでしょう。技術的なサポートができ、地域市場のニーズを熟知した人を低コスト・短期間で全米各地に持つことが可能となるからです。

米国では年商50億円(5000万ドル)に達するまでは各地にセールスレップを配置し、売り上げが伸びてきた地域から順番に自社販売店に転換していく事がマーケティングのセオリーになっています。
日本の会社もセールスレップ制度をつかって米国の販路を構築しましょう。

海外展示会で成果がでない

海外へ販路開拓をしたい場合、最初に思いつくのが展示会ではないでしょうか?
しかし実際に出展した企業からは、海外展示会でなかなか成果があがらないという声を多く聞きます。
では、なぜうまくいかないのでしょうか?

海外展示会で成果があげられない原因として、出展の目的が明確でないという事があげられます。
展示会出展の目的が、その国での「代理店探し」なのか、「エンドユーザーへの直接売り込み」なのかがあいまいなのです。

もしエンドユーザーへの売り込みが目的なら、エンドユーザー用の価格表を用意することが必須です。(関税や輸送料もいれた価格表が望ましいです)
価格表なしに製品説明ばかりされてもエンドユーザーは検討しようがありません。
また海外展示会で会うエンドユーザー候補とは一期一会のつもりで、その場で渡せるサンプル・資料もなるべく多く準備しておきましょう。

日本のように「細かい話は、展示会が終わった後でゆっくりと」とはいかないからです。

代理店探しが目的でなら、どういった代理店を求めているのかを明確にした英文の提案書をもっていった方がよいです。
売り込みの手順や問題点を詳細に説明し、彼らへの報酬体系も提示するのです。それを製品説明ばかりして、代理店候補に「提案お待ちしています」というのは無理があります。
「展示会で製品説明ばかりしても販路はできない」と心しておきましょう。

ブランド戦略のはなし

海外に売り込む際に「製品や会社の名前は日本語をローマ字表記したままでいいのか」というのは気になるところです。
問題は会社名や製品名が長すぎる場合です。

海外で意味をもたない名前の場合、TOYOTA, HONDA, 等の例をみても、3音節ぐらいまでにおさせることが望ましいです。
ちなみに私の名前は「Yutaka」ですが、外国の友人は「お前の名前は憶えるのが難しい」とぼやいていました。

また商品名が現地で思わぬ意味を持つことがあります。
よく知られた例では、カルピスは英語圏で「カルピコ」という名前で販売されています。
カルピスは、現地でカウ(牛)ピス(おしっこ)と聞こえるからだそうです。牛のおしっこは売れませんよね。
新しい製品名を考える場合、できれば英語圏で生まれた人に製品名の語感を一度確認するとよいでしょう。

また、あえて「名前を製品にいれない」という戦略もあります。
商品名が製品や箱に記入されていると、インターネットでメーカーに直接に問い合わせすることが可能になります。
それを嫌う現地の販売代理店が意外と多いので、彼らを大事にする意味で、商品名を製品やパッケージに印字しないのです。
名前ひとつをとっても、なかなか奥の深い戦略がありますね。

「セールスレップ」と「ディストリビューター」の違いとは?

日本においては「問屋と代理店と商社の違いは何でしょう?」と問われても答えられる人はいません。
実際のところ、明確な定義や区別がないままにごっちゃに使われているからです。

欧米でも「セールスレップ」と「ディストリビューター」という似た言葉がありますが、この2つは明確に違います。
販売するものの所有権(≒在庫)をもって再販する会社をディストリビューター、所有権(≒在庫)を持たずに売り上げの%を成功報酬として得るのをセールスレップと区別しているのです。

セールスレップは基本的には売り上げに応じた成功報酬で運営されているので、メーカー側に固定費は発生しません。またセールスレップは面白い新製品を扱うことに積極的です。
在庫をもつディストリビユーターは、不良在庫としてそのまま損になる可能性があるので、どうしても新製品に対して臆病になります。しかし、在庫をもたないで販売代理だけを行うセールスレップは、売れなくても損をしないのです。彼らとしては顧客への話の種ができるというメリットもあるから、面白い新製品を扱いたがるのです。

このセールスレップ制度は米国で発達したものですが、その考え方自体はどの国でも適用可能です。
「シンガポールに在庫をもって販売してくれるディストリビューターをパートナーとして見つけて、隣接するインドネシアとマレーシアには現地事情に詳しいセールスレップを見つけよう」といった考え方をすると、アジアの販路網構築の戦略もクリアに立てることができます。

輸出先の規制/認証の調べ方

輸出に当たって多くの会社が心配されるのが規制・認証の問題です。
輸出先の国でどういった規制・認証があるかわからないので、それで訴訟を心配されるのです。

有名なところでは米国のUL、欧州のCE、中国のGB あたりですが、国の中でも地域レベルで規制があることもあり、それこそ無数にあります。
問題は「このデータベースさえみれば世界の認証が一覧になっている」といったものは存在しないということです。
一番簡単な調査方法は海外の同業他社のカタログを取り寄せてどういった認証をとっているかを確認することです。
それと同じ認証をとっておけばまず間違いありません。
次に簡単な方法は現地の代理店(候補)に聞くこと。彼らは自分の売り込みに必要な認証をよく知っています。
認証には、 「必ず必要なもの」「ある方が望ましいもの」「特定の場合のみ必要なもの」といろんな種類がありますし、費用も当然かかります。
まず現地での製品需要を確認して売れるメドがたってから、認証を取られることをお勧めします。
すべての認証をクリアしてから海外販売を始めようとするといつまでたってもできないからです。
まずは売り先を見つけることが先、その後認証が必要ならとりましょう。

販売網の構築から、大口顧客へのセールスまで
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